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国債利回りと金利差から考えるFXのトレード手法

      2016/07/20

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僕がFXを開始して1年ほど経つ頃には「金利差」「キャリートレード」という言葉を知るようになっていた。しかし、その意味については深く考えてこなかった。

理由は単純だ。まず、金利差と聞くとファンダメンタルズ分析に位置付けられるような概念に感じて、当時のテクニカル分析こそに成功があると思っていた僕にとっては全く興味が持てなかったこと。

キャリートレードという言葉も、昔は円を売ってドルを買っていればサルでも稼げた相場だった。という程度の知識しかなかった上、今は縁のない話だろうと決めつけて興味が持てなかった。

しかし、FXで勝ち続けるためには一つだけの概念では厳しいと感じる。その理由と、金利差についての簡単な解説をします。

 

 

視野の狭さがFXの世界で危険な理由

正直言って、チャート上にテクニカル分析を表示させていると相場のことがよく分かる気がすると思っている時期があった。特にRSIは単純で分かりやすく、純粋にすごい分析法だと思ってました。

でも今となってはテクニカル分析を真に受けることは全く出来ず、値動きを無視して数式をこねくり回して弾き出しただけの「加工済みデータ」に、どれほどの価値があるのか。しかも加工する過程で周期性を与える数式があれば、周期性の無いデータに周期性を生み出す可能性すらある。

そういった危険性から、やはり値動きそのものを重視することや、値動きの背景にあるテーマを読み取ったほうが確実に優位な立場に立てると今は感じている。

ファンダメンタルズ分析は割りとどうでも良いというトレーダーは、ECBが量的緩和を行うという示唆を出しているのに、移動平均線がクロスしたという理由でユーロドルをロングするのだろう・・。

次に、もう一つ理由があってFXは世界最大級のマーケットであるということ。1日の取引高は4兆ドルに達すると言い、それに対して東証一部の取引高は170億ドル程度にすぎない。(デリバディブ市場は除く)

つまり圧倒的に参加しているトレーダーの量も、市場に投下されている資金の量も桁違いなのだ。それゆえに通貨市場では多様な売買手法が投入されており、テクニカル分析だけを見ている人間は、テクニカル分析よりも優位な手法によって「カモ」にされることを意味する。

FXは世界中のあらゆるトレーダーと戦う超高難易度なオンラインゲームという意識を持つようになってからは、僕も色々と視野を広げて読む本のジャンルも広がりました。

ということで「金利差」という概念を知ると、通貨ペアというものがどういうものなのか、しみじみと体感できるので解説します。

 

金利差をとりあえず簡単に計算する

金利差と言われても、そもそも何の金利を比較すれば良いのか分からない。そう思う人が多いと思います。僕も金利差に興味がなかった頃はその時点で「別にいいか。」と思ってました。

金利差は、ある国とある国の名目金利を比較したり、国債利回りを比較したり、色々と比較して良いのですが、簡単な結論を出すために「実質金利」から行きます。

実質金利の簡易計算法

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要するに名目金利という見かけの金利から、インフレ率を差し引くことで本来の金利を導くという考え方になる。ただ、今回は簡単に計算したいので・・。

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このような大雑把な形で実質金利を擬似的に算出します。この雑な計算方法でも案外、通貨ペアチャートに対してそれっぽい形を見出してくれるので、解説としては十分です。

なお、CPIは消費者物価指数(Consumer Price Index)という経済指標のことで、インフレ率の代用として使っています。物価が上昇しているということは、インフレかもしれないという大雑把な見方です。

国債利回りとCPIで実質金利を計算

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Excelに国債利回りと、消費者物価指数(CPI)を打ち込んでいき、国債利回り - CPIで、実質金利を計算しています。FXで最も主流とされている(日本では)ドル円との関係性を見たいので、米国と日本の実質金利を算出します。

なお、各種データはInvesting.comで検索して入力しています。しかし、シート形式でダウンロード出来ないため長期のデータを検証したい場合は、他のサービスを利用するのが良いかもしれません。

データの入手先としては、年次データならIMF(International Monetaly Fund)。IMFは経常収支やGDP、消費者物価指数など、幅広い経済指標の年次データを無料で入手できます。

日次データが欲しい場合は悩ましいところで、パッと使ってみた感じではQuandlが中々優秀です。無料の割には、こちらも幅広い経済指標や通貨ペアや株価データを揃えており、場合によっては重宝しています。

データを手に入れてExcelに入力して、計算したらグラフ化して、通貨ペアのグラフと比較をしていきます。ここからがかなり興味深い部分なんですよ。

通貨ペアチャートと実質金利の「金利差」を見比べる

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Investingで仕入れたデータなので、2014年7月~2016年5月までの短期間の比較ですが、それなりに興味深い関係性が見て取れる。金利差がゼロに近づくとドル円相場は下落するように見える。

しかし、これでは少し分かりづらいところがある。前半部分は金利差に大きな変化が無いにもかかわらず、ドル円相場は上昇している。後半は金利差がドル円相場に対して先行して動き未来を予期しているようにも見える。

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金利差を構成する、米国と日本の実質金利も表示させてみた。どうやらドル円相場の上昇には米国実質金利の上昇が貢献しているようだ。金利と通貨の関係は知っている人が多いだろうが一応説明。

一般的に金利が高いと、その国の通貨は買われる。逆に金利が安いと積極的にその通貨を買おうとは思わない。FXにはスワップポイント狙いの売買もあるが、あれはこの金利の差に目をつけた手法です。

ですから、米国の実質金利が上昇してドルが上がったのは単に金利高=通貨高という道理です。逆に金利が下がるとその通貨を保有する旨味が減ってしまうので通貨安になります。Excelのチャートが説明したことを表現していますね。

そして2016年4~5月の金利差とドル円を見ていると、日本の実質金利が米国の実質金利を追い抜いていることが分かります。つまり、実質金利という本来の金利から見ると、円のほうが持っていて得だから円高になるということ。

金利差から通貨ペアを見て気づく、チャートの限界

僕は金利差をExcelで実際に調査してみて、しみじみと通貨ペアチャートの限界を思い知らされました。当たり前のことですが、意外と理解している人が少ない概念が「ドル円というチャートは存在しない」ということ。

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もう一度、さっきのExcelチャートを掲載します。ドル円のチャートだけを見ていては正直言って本当にドル高かどうか、その点までは見極めることが難しい。

しかし、こうして実質金利という観点から見てみると、まるでドル円のチャートをドルと円に分割して見ているような気がしませんか。ドル円が上昇している時、米国実質金利が上昇していて、日本の実質金利も上昇しているけれど、それ以上に米国実質金利の上昇が速いから円安なんだ。

そして両者の力関係が拮抗すると円安トレンドが止まり、レンジ相場に突入して日本の実質金利が0%付近をキープしつつ、米国実質金利が下落を始めたので円高トレンドに突入した。と、言うふうにチャートを見れるようになる。

ドル円というチャートもモノも存在しない。ドル円は単にドルと円の交換比率を表しているだけに過ぎない。交換比率だけを見て売買するには限界がある。人間は通貨の存在が当たり前過ぎて、通貨の本質を全く考えない。

→ FX市場で取引される通貨ペアの真実と相場の本質を語る

普通の人はトマトやキュウリを買うときに、TOMATO/JPYやKYURI/JPYとは考えない。だが、トレーダー的思考に基づけば、世の中のあらゆるモノに交換比率が存在することを意識した方がいい。

日経225は本当に日経225ですか? それは違っていて、あれは日経225/JPYにすぎない。アメリカ人から見れば、日経225/USDなんですよ。もしかすると、イギリス人が見たら日経225/GBPかもしれません。

2国間の実質金利の動きから、ある程度は通貨ペアチャートを構成できることが分かりました。ここから色々な手法が考えられると思う。その中には金融のプロであるヘッジファンドが使うような手法も含まれているだろう。

短期間の値動きにも金利差の影響が存在する

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個人的に特に興味深いと思ったのが、日足という比較的に短期の値動きにも金利差の影響が出ているということ。ここからどのように実際のトレードに落とし込んでいくか。アイディアと知識の見せ所だろう。

【コラム】ハンガリーフォリントと米ドルと実質金利

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メジャーカレンシー以外にも、FXにはたくさんの通貨があって、その中でもマイナー通貨に位置する通貨は対ドルで一方的な動きをすることが多々あります

その中の一つが東欧の国、ハンガリーの通貨であるフォリントです。ここにも実質金利による影響が色濃く出ており、FRBの利上げ示唆を受けて実質金利が織り込みを始めているんですね。その過程でUSD/HUFが急上昇です。

このように巨大な通貨と弱小通貨の間には、よく一方的な動きが起こるので可能であれば積極的に狙って行きたいと思っています。

 

金利差に着目したキャリートレードという手法

だいたい金利差については解説できたので、キャリートレードについて少しだけ。キャリートレードの意味は「高金利通貨を買って、低金利通貨を売る」だけです。

円キャリートレードとは、要するに高金利な米ドルを買って低金利の円を売るという流れで、ドル円を買っていれば利益が出た相場のこと。しかし、そのような相場も長くは続くことはなく、最後のほうの下落で「カモ」がケツを拭く形に(ゼロサムゲームですから)。

キャリートレードの限界点は、いくら高金利と低金利の組み合わせでもトレンドが永遠に持続することは絶対に無いということだ。なぜ、金利差があってもトレンドが継続しないのか。

理由は単純で、通貨ペアは適正だと思われる水準まで動いたら「織り込み完了」ということで値動きを止めてしまうから。金利差に対して適正な水準まで織り込んだら、相場はそれ以上動けない

そして、キャリートレードという手法に多くの人間が便乗すると、それだけ適正な水準まで織り込まれるスピードも上昇する。つまり、相場がより効率的になることを意味している。

最後の下落でケツを拭く形になってしまったのは、適正水準以上に相場が動いてしまったためだろう。

しかし今もキャリートレードのようなボーナスステージ的な相場は存在する。ファンダ的な要因や金利を考えれば、どこかに一方的な値動きが発生することは何となく分かると思う。コラムに挙げたハンガリーフォリントのように。

 

まとめ

金利差といったファンダ要因を気にしないのは、ある意味で機会損失そのものだと考えている。金利差は円キャリートレードによって知名度を上げて、通貨ペアの実際の価格と金利差のズレを狙うような手法を使うヘッジファンドも現れるようになった。

しかし、通貨ペアのトレンドを一枚のチャートだけを見て判断するよりは客観的なトレンドの判断ができる可能性がある。FRBの利上げ示唆や、それに伴うFF金利先物の動向から垣間見える利上げの時期への織り込み。

→ アメリカ(米FRB)の利上げの時期を簡単に予測する2つの方法

この織り込みの過程で実質金利が動く可能性もあり、実質金利の動きはかなりの確率で通貨ペアの値動きにも影響を及ぼしていることは記事の中で明らかにした。目に見えず、捉えづらいと考えられているファンダ要因も、データに基づいてグラフ化してみればテクニカル分析を扱うような気持ちで捉えることが出来ることも分かった。

今まで「金利差」という概念を、自身のトレード観に取り入れてこなかったトレーダーは一度検討してみることをおすすめします。各種データを無料で配布しているサイトはあるし、検索の仕方次第では探せないデータはほぼ無い。

最後に経済指標や通貨ペアのデータを無料で入手できるサイトをいくつかまとめて終わりにします。

経済指標が手に入るサイト(ほぼ無料)

IMF(国際通貨基金)

Investing(国債利回り)

Quandl

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