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意外と知らない、FXの「滑る」原因である流動性と板の厚みの概念

      2016/07/20

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流動性が抜群、なんていう謳い文句も見られるようになった最近のFX業者。しかし、そのような文句とは裏腹に取引が滑ったりして不本意な損失を負うことはある。

売買の内容にもよるが、今回の記事ではごく普通の一般的な手法で売買しているトレーダー向けに、FXの世界における流動性と板の厚みについて解説してみたい。

 

 

FXで売買をしていると滑った

ユーロドルでポジションを建てたら、思っていたレートよりもかなりズレたレートで約定してしまった。スプレッドを考慮しても明らかにズレており、業者の嫌がらせのように感じた。

かろうじてスプレッドとズレが埋まり、建値で決済して痛手は無く済んだが、今後もこのような「滑り」が起こるかと思うと不安になる。人間は漠然とした事や知らないことに対しては不安を抱くもの。

ということで、なぜ「滑り」が発生するのかを流動性という面から見てみよう。流動性の濃い通貨ペアを選びましょう、という当たり前の話は割愛します。

原因その1「流動性と板の厚み」

流動性という言葉の意味は、いつでも好きなときに交換ができるかどうか、ということです。例えば家(不動産)は流動性は極めて悪いですよね。

好きなときにすぐに買ったり、即売り払ったりすることは出来ません。間に法的な手続きも絡むし、金額も大きいためホイホイと不動産買ったり売ったりするのは困難です。

では逆に日本円はどうでしょうか。これは流動性は抜群に高いといえる。いつでも好きなときに商品や物品と交換が可能で、国内のあらゆる取引が日本円で行われている。

これと同じようなことがFXの世界にも言える。FXの場合は、自分が持っている交換レートと交換してくれる人がどれくらいいるのかが流動性の意味合いになる。そして、この流動性を視覚的に分かりやすくしたのが「板」です。

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株取引をやった人には馴染み深いと思います。が、FXには基本的にこの「板」という機能はまだまだ一般的ではなく、一部のトレーディングツールなどで提供されているだけです。

この板に表示されているのは、その価格レートの流動性の供給元であるリクイディティプロバイダー(LP)と、掲示しているレートと供給している流動性の量です。話を簡単にすると、1.10002のように、サイズが30万しか無い部分は「板が薄い」ので、自分が注文を出している間に他のトレーダーに注文を先に取られて、約定するレートが滑る可能性が高い。

逆に1.10000は複数のリクイディティプロバイダーが流動性を供給しており、滑りづらい可能性が高い。ただ、大台は現在も意識されやすいレートであるため、トレーダーの売買も活発化しやすい。

LPの闇

以上のことから流動性の薄い、つまり板が薄いレートで取引しようとした時に滑りやすいと言える。しかし、中にはかなり厚い板を提供しているにも関わらず、滑る業者も存在するそうです。

調べた限りでは板情報に存在しない流動性を表示させる技術などが存在するようで、外見上の流動性は抜群でも実際には「何も供給していなかった」なんていう、なんちゃって業者も存在する。

原因その2「取引業者のサーバーとの距離」

コマンドプロンプト(cmd)というWindowsに標準搭載されているソフトには、Ping値を計測するコマンドが実装されている。このCMDを使うことで、自分のPCから取引業者のサーバーに注文が届くまでの時間の目安を知ることが出来る。

僕の環境では、香港のサーバーまでは往復120msで、ロンドンのサーバーには往復400~500ms掛かる。これは裁量トレーダーにとっては、あまり問題にはならない部分ではあるが、手法によってはサーバーとの距離も結構重要なんです。

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要するに、サーバーとの距離で発注までの時間が伸びるのであれば、サーバーとの距離は近いほど良い。例えば、板の薄い価格で取引したいと思って注文をニューヨークに出します。しかし、その間にニューヨークにいるトレーダーが同じ注文を出した場合、確実に注文を先取りされて流動性は消え、こちらは滑ったレートで約定するということ。

ただ、さっきも言ったとおり保有時間が15分を超えるようなデイトレやスイングでは、そこまで大きな問題にはならないと考えています。スキャルピングであれば、サーバーとの距離は結構気を使うべき部分だと思いますが。

原因その3「OTC(相対取引)業者の闇」

直近の事例で言えば、楽天FXの1500pips異常レート配信が代表例だろう。僕は非常に多くの海外FX業者のMT4をダウンロードしてチャートを見比べていることもあり、OTC業者や悪質業者ならではの闇を知っている。

OTC業者は顧客と業者の間で取引を行っており、注文がインターバンク市場に流れることはありません。つまり、簡潔に言うと顧客の利益は業者の損失であり、顧客の損失は業者の利益になります。

ということは、客側が優れた手法を使って利益を挙げるようになり、業者側の利益を圧迫するようになると業者は対抗策を打ち出す。それが楽天FXが行おうとした「ストップ狩り」や「意図的なスリッページ」です。

ストップ狩り

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OTC業者は顧客の注文の状況を把握しているため、逆指値注文(ストップロス)が集中している価格帯に対して、意図的に配信しているレートをズラすことがある。このズレによって、ストップロスが発動して顧客は損失を被り、業者は儲かるというわけだ。

意図的なスリッページ

特定の顧客(要するに勝っている顧客)に対しての対抗策。その顧客の出す注文は多くの場合、利益になってしまうので少しでも不利な条件でポジションを建てさせてやろうと、スプレッドよりも注文を意図的に滑らせるのです。

これは海外でも行われていることです。しかも海外の場合は楽天FXのように露骨なやり方ではなく、もっと巧妙にシステム的に仕組んでいます。例えば、0.05~0.1pipsだけスリッページさせるシステムなど。

そのような小さな単位のスリッページは簡単には気づけません。そして回数を重ねれば業者にとって確実な利益にもなる。特にキャッシュバックフォレックスなどを介する場合は、そういったプログラムが仕組まれている可能性が高い。

 

対策その1「流動性の厚いFX業者を使おう」

滑る可能性を少しでも下げたいなら、話は単純です。流動性を大量に供給しているFX業者を使えば良いのです。

「・・・。でも、流動性を大量に供給しているかどうかなんて、どうやって分かるんですか?」

当然、この記事を読むような人は、流動性を数値などで視覚的に分かりやすく知る方法を知らないと思うので、さっそく紹介していきたい。

流動性の濃さ、板の厚み(Depth)を見るには?

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これは通貨ペアごとの流動性の統計情報です。右側のVolumeを見てみると、ニューヨークと東京では流動性に圧倒的な差があることが見て取れます。

そして、この流動性の厚みはスプレッドにも影響を及ぼしています。例えば、GBP/USDを見比べてみると、ニューヨークでは0.6pipsのスプレッドが、東京では1.4pipsと、2倍近く開いている

流動性の濃い業者を選ぶ意義は、決して滑らないというだけでなく、スプレッドという面でも良い影響があるんですね。

なお、上記の統計情報を提供しているのはFXCM社のホワイトラベル(フランチャイズ店みたいなものです)であるFastmatch社です。

※指摘されて調べたところ、Fastmatchはホワイトラベルではなく、FXCM社の技術開発部門にあたる子会社のようです。

→ Fastmatch.inc

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これは英国LMAX Exchange社が提供しているスマホアプリ「LMAX VWAP」という流動性を見ることが出来るツール。LD4(ロンドン)とTY3(東京)の流動性を見ることが可能で、ロンドンのほうが圧倒的に濃いです(苦笑)。

→ LMAX VWAP

板をリアルタイムに見れるトレーディングプラットフォーム

実際にFXの板を見る方法には、板の表示機能が搭載されたトレーディングプラットフォームを使うという方法もある。詳しい使い方は割愛し、プラットフォーム名だけをまとめておく。

Depth of Market

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詳しくは知らないが、Advanced Market社が提供している補助ツールのようなもの。

ProTraderMC

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PFSOFT社製のProTraderMCというプラットフォームに標準搭載されている機能。

→ 次世代FXトレードプラットフォームPTMCの感心したすごいところ7点

GTX

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GainCapital社が提供しているGTXというトレーディングプラットフォーム。流石に高機能ですが、利用するまでの敷居が・・。

cTrader

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Spotware社が開発したトレーディングプラットフォーム「cTrader」にも、一応見れる機能がついている。

金融街に位置するサーバーは流動性も厚い

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Fastmatchや、LMAX VWAPを見れば誰でも東京よりもロンドンやニューヨークの方が流動性が濃いという事実を理解できます。だからFX業者を選ぶ時の基準に、どこのサーバーを使っているのかが重要になる。

分かりやすい基準として、Equinix系のサーバーを採用しているかどうかです。FXの世界ではEquinix LD4(ロンドン)や、NY4(ニューヨーク)、TY3(東京)が特に有名で業者探しをしているとEquinixを謳い文句にする業者はそこそこあります。

海外FX業者を探す時はEquinix系のサーバーを利用しているかどうかをチェックしつつ選べば良い。

 

対策その2「VPSや業者の分散を行う」

使っている手法や普段のロットにもよりますが、注文の先取りによる滑りや、ロットの大きさによる滑りに対応するには基本的にVPSと業者の分散くらいしか対策法がない。

サーバーとの距離を可能な限り縮める

取引サーバーと自分のPCの位置を物理的に近くすれば、それだけ自分よりも遠い位置に住んでいるトレーダーに対して有利といえます。しかし、サーバーがロンドンにあるからといって自分もロンドンに住む訳にはいかないと思います。

そこでVPSを使う手がある。VPSとは、サーバーに極めて近い位置にあるデータセンターなどに置いてあるパソコンを月額料金を払って間借りする方法だ。実際にどれくらい発注速度が速くなるのかは以下の表を見れば分かる。

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出展 : FOREX VPS LATENCY

物理的に極めて近い位置に自分のパソコンがあることによる恩恵は大きい。日本からロンドンまでの発注は往復で400msも220ms掛かることがあるが、VPSを使えば最速で1msまで縮めることも可能なようだ。

実際にはそこまで縮むことはなく、業者側のサーバーの処理性能や処理の手法や、使っているトレーディングプラットフォームによっても差は出てくる。

ECNでも業者は分散したほうが良い

OTCと違って、ECNは業者と顧客の間に利益相反にはならないとされている。しかし、それは単に注文の受け手が業者では無くなっただけで、ECN・STP業者を使っていても戦っている相手はやはり存在する。

それが名だたる大銀行や、プライムブローカーなど、インターバンク市場で流動性を供給している「リクイディティプロバイダー」たちだ。正直に言うと僕にはまだ縁のない世界ではあるが、トレードサイズが1000万~2000万と、何千万単位になると、流動性が濃くて200~300万通貨を一気に発注してもびくともしなかった業者ですら「滑り」が慢性的に起こるようになる。

板が濃くても、その板すべてを食い尽くす現象。マーケットインパクトです。株取引では有名な概念ですが、FXは元々流動性が高いし、板情報も一般的ではないため縁がないと思われがちだが、莫大なロットを扱うトレーダーになってくるとFXの世界でもマーケットインパクトはつきまとうという。

対処法としては複数の業者から発注するくらいしか無い。難しい問題は、優良FX業者も数は多くないということですね・・。

 

まとめ

流動性の情報を探している人に向けた内容だったが、思った以上にマニアックな内容になったかもしれない。一般的なトレーダーが抑えるべきポイントをまとめます。

  1. 海外FX業者を選ぶ時は、Equinix系のサーバーを使っている業者が良い
  2. 流動性は 東京 < ロンドン < ニューヨーク の順番で濃い

こんなところです。なお、今回の記事だと勘違いしそうなので補足。OTC業者は闇の側面がありますが、ECN業者にも闇は存在します。どちらが圧倒的に優れているわけではない。

OTC業者はインターバンク市場に注文を流しませんから、ECN業者よりも発注速度が速いことだってあります。マトモなOTC業者で、ロットサイズがさほど大きくなければ、ECN同様にまだまだ使える面はあると思います。

ECN業者はインターバンク市場に注文を流すので、基本的に業者と利益相反にはなりません。が、カバー先のリクイディティプロバイダーに問題があることもある。最近の例では大銀行が米当局から罰金を命じられていましたね。

他にもECN業者を謳いながらも実はOTC業者だったという厄介な業者もあるので、業者選びにはくれぐれも気をつけてください。約定が速く、流動性のある優秀なFX業者は簡単には見つかりませんが、FXをするなら良い業者を使うに越したことはありません。

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 - FX業者のこと