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移動平均線のクロス手法の様々なアプローチをExcelで検証する

      2016/07/20

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移動平均線はシンプルな計算式と売買ルールであるため、検証もしやすいのが特徴です。HyperSpeedNEXTなどのツールを使えば、全くのFX初心者であっても移動平均線の検証が可能で、統計的有意性の確認がある程度は出来る。

しかし、そのような簡易ソフトの限界は、試せるアプローチの数が限られていることです。例えば、ユーロ円でクロス手法を検証するときに、他の通貨ペアのクロスをエントリーの根拠にしたい場合などは、簡易ソフトでは無理です。かと言ってMQL4は敷居が高い。

そう考える人に向いているソフトがExcel(Calc)だ。この記事ではExcelを使って移動平均線の様々なアプローチのやり方に優位性があるのかを検証していきたい。

 

 

Excel(Calc)で移動平均線の検証する方法

まず最初に検証していきたい手法は、2本の移動平均線を使ったクロス手法。短期と中期の移動平均線の追い抜く様子をエントリーの根拠にする手法で、FX初心者本やブログなどで必ず紹介されているため、多くの人が使う傾向にある。それだけ多くの人が使っているのに、優位性(収益源)が残っているのか?

細かいことは考えず、とりあえず検証してみよう。

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最初の行に検証したい通貨ペアのデータを入力します。データはGoogleで検索して無料ダウンロードするか、MetaTrader4でユーロ円を開いて、ファイルから名前をつけて保存をすることでCSV形式のヒストリカルデータが手に入る。今回は、MT4の保存機能でデータを入手しています。

なお、良い忘れましたが今回の検証に使うのはユーロ円の1時間足で、期間は2016年1月8日~6月8日までの約半年です。直近の相場ですら優位性が無いのなら、基本的にはゴミである可能性が高いと考えているためです。

次に移動平均線の設定。13日平均線なら、13行目に「=average(BK1:BK13)」とすれば移動平均線を求められる。39日平均線も同様に範囲を設定すれば求められる。

買いと売りの判定は、短期移動平均線が中期移動平均線と比較してどちらが大きいかを比較すれば大丈夫。例えば「=IF(BL2>BM2,1,"")」とすれば、ゴールデンクロスの判定が可能だ。クロスしたら1と表示し、していないなら何も表示しない。

そしてEntryの判定が少し厄介です。「=IF(BU40=1,IF(BV39="",BK40,BV39),IF(BV39="","",IF(BT40=1,"",BV39)))」と、中身はこのようになっていて、買いサインが出ているかどうかを判定して、出ているならその時間の価格を表示させます。

Exitは「=IF(BO40=1,BK40,"")」となっていて、売りサインが出たらその時点の価格を表示し、出ていないなら何も表示しません。

損益は「=IF(AND(ISNUMBER(BQ40),ISNUMBER(BP39)),BQ40-BP39,"")」です。要するに、Exitに数値が入っている・ひとつ上の損益に数値が入っている、この2つを判定して、もしそうならExit価格からEntry価格を差し引きます。そうでないなら何も表示しない。

累計損益は単にSUM関数を使って合計値を出しているだけなので、特に解説はいらないだろう。

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もちろん、買いだけでなく売りのバージョンも作っておく。単に買いと売りのサインを逆にするだけで構わない。こうして数式を入力したら、オートコレクト機能で下へ引っ張ってコピーすれば検証は完成です。

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累積損益をグラフ化したら、トータルで利益が出ているかどうかがすぐに分かる。買いは壊滅的で、売りは辛うじて利益を残せたようだ。

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合算するとこのような形になり、正直言って移動平均線のクロス手法なんて所詮はこの程度のものだ・・というのがしみじみと体感できるだろう。途中までは上手く言っていますが、単に相場の動きと13日・39日線の動きがピッタリ一致しているだけの話で、相場の動きが変化すると後半のように、利益を出せなくなってしまう。

→ FXで使う移動平均線の期間設定へのこだわりは捨てたほうが良い

ここで「最適な期間を探しに行こう!」と考えるのがよくあるパターンだが、それは非常に不毛な争いであることを記事にしてあるので、この記事では期間設定以外の部分で優位性を見つけられないか試してみる。なお、13日・39日線を使った理由は究極のトレーディングガイドという本に載っているから、というだけの理由です。

 

ユーロドルとドル円のクロスが一致したところでユーロ円でエントリーする

次に試すアイディアはこれです。ユーロ円の値動きは、ユーロドルとドル円の合成に近いということを以前に紹介したことがあります。

→ トレーダーの迷走?移動平均線を使った大量の手法と発想の転換

この特徴に基づくと、ドル円とユーロドルが正反対に動いている時はユーロ円はレンジ相場になりやすく、動きが一致している時はトレンド相場になりやすいということだ。では、このアプローチに実際のところ優位性があるのかを検証していく。

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検証のやり方はさっきとほとんど同じです。ユーロドルとドル円のヒストリカルデータを追加して、それぞれに移動平均線を出します。そして、クロスサインが一致したところで「1」と表示させエントリーのサインにして、一致していない場合は何も表示しません。

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このように、それぞれの通貨ペアにクロス判定を行って、判定が重なった時にユーロ円でエントリーする。

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買いと売りのそれぞれの成績はこうなりました。やはり13日と39日の組み合わせが致命的に使えないものなのか・・と、思ってしまう検証結果に。確かに、クロス自体に優位性があるのか、そこからが怪しいのですが。

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合算してもトータルで負けています。まったく使えませんね。エントリーのサインを二重にしているため、ある意味で多数決方式にも見えますが、これは悪く言えばフィルターでもあるため微妙な感じですね。それに、いくらユーロ円がドル円とユーロドルから構成されているように見えても、実際には様々な影響が存在するわけで。

クロス手法が単なる欠陥品である可能性が濃厚ですが、もう少しアプローチを変えて検証します。

 

ユーロインデックスと円インデックスを使う(仮名)

→ 国債利回りと金利差から考えるFXのトレード手法

この記事で紹介した実質金利の動向が通貨ペアの値動きに影響を与えているというアイディアに基いて検証を行います。ユーロ円においてはユーロの実質金利と、円の実質金利の動向が非常に重要になります。エントリーの方法としては、ユーロと円の実質金利の動きに似たある指数を使って、ユーロ指数がゴールデンクロス、円指数がデッドクロスしたら、ユーロ円でロングエントリー。その逆ならショートエントリー。

つまり、両者の関係が開きそうならユーロ円でロングして、関係が縮小していきそうならショートを行うという手法です。

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買いは壊滅。売りも微妙。

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合算しても、この有様です。それなりに根拠のあるアプローチだっただけに、この検証結果に正直言ってガッカリです。原因を調べてみると移動平均線がクロスしたからといって、その後の相場の動きとの因果関係がハッキリしないというのが欠陥のようです。

移動平均線のクロス手法の致命的な欠陥

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周期性を含ませたランダムウォークチャートに、ある2本の移動平均線を表示させてみる。すると、クロスした位置でルール通りのエントリー行うと価格が逆行しているのが分かります。つまり、クロス手法の誇る最大の欠点は相場の周期性が変化した時に逆指標になりやすいという特徴があることです。

では、反対方向に売買すれば良いのでは。と考えるのはアイディアの一つですが、結局この方法も相場の周期性が変化して、移動平均線の期間とフィットするようになると損失に変わってしまいます。ということで、個人的にはこのクロス手法は欠陥が多いと思っているので検証はここまでにします。

 

1本の移動平均線をエントリーに使って検証

単純移動平均線ではノイズ的な値動きも計算に含めてしまうため、トレンド発生環境下でも容易にサインを出して逆指標になる危険性がある。とは言うものの、今回は移動平均線の計算方法を変更するという検証ではないので、SMA1本を使って再検証を行っていきます。

生のデータである価格と、平滑化した価格を使ってのエントリーです。クロス手法は加工済みデータと加工済みデータを使った手法ですから、直感的にも気に入らないのです。ですが、移動平均線と生の価格の関係性を見るのならまだマシでしょう。

(※今回の生のデータは、単に終値のことを指します。)

使うSMAの期間は、初期設定で最も多く採用されている「20日」です。それ以外は検証しません。期間の検証にこれといった意味は無いと僕は考えているからです。

単なるクロス手法

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価格が20日移動平均線を抜けたら、その方向にエントリーする手法です。赤いグラフが売りで、青いグラフが買いの成績になります。

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合算すると、このような結果になりクロス手法よりも安定した成績を出します。純粋に価格のトレンドを追うのが目的になりますから、ある意味当然ではある。損益グラフも基本的にはユーロ円の値動きと似た動きになる。

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こうして見ると、明確なトレンドがある局面で上手く利益を挙げ、レンジ相場に入るとトレンドで得た利益を吐き出すという構造が見えてきます。

ドル円とユーロドルのサインが一致したらエントリー

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クロス手法でも散々な結果でしたが、どうやら1本の移動平均線を使ったアプローチでも改善には至りませんでした。

 

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そこで、他の通貨ペアでシグナルが出た時点ではエントリーするのが早過ぎるのかもしれないと考えて、サインが出てから10日ほど遅れてエントリーさせてみたました。すると、予想以上に成績が向上してしまいました・・。

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合算するとこのような結果になり、初期設定の移動平均線にしては非常に良いパフォーマンスだと思います。

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しかし、エントリーを遅延させることで成績が向上したとは言え、結局のところこの方法は、どれほど遅延させるのか? という点が怪しいのです。5日遅らせるだけでは成績はほとんど向上しませんが、8日~16日の範囲で成績の向上が見られました。ある程度の耐久性はありそうですが、今後の運用にも耐えうるのか。悩ましいところだ。

ユーロインデックスと円インデックスを使う(仮名)

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クロス手法と比べると格段に成績が向上

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ユーロ円と、合算した損益グラフを確認する。まだまだグラフの形は歪だがトータルで最も利益が残ることが分かった。しかも使っている移動平均線は単なる20日移動平均線であり、期間もいじっていない。

 

まとめ

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シンプルな移動平均線のクロス手法。相場の波と一致する時は利益を挙げられるが、合わなくなると損失を出す。ただ、最もシンプルなテクニカル分析の使い方であり、これ以上シンプルにすることがほとんど出来ないという観点から、今もチャートに表示させています。ちなみに見ているのは「圧力」と「乖離」が中心です。

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ユーロ円のクロスではなく、ユーロドルとドル円のクロスが一致したらユーロ円でエントリーする手法。原理的には結構良い線の手法です。ただし、エントリーを遅延させることで収支が改善する点がややこしい。

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ユーロ円の構成要素を直接分析して、ユーロ高円安になった局面でロング、ユーロ安円高になったらショートをする。原理的には最も本質に近いと考えていますが、分析にテクニカル分析のクロスを使っている点が微妙なところです。それでも、移動平均線のアプローチを変えることで、パフォーマンスを改善することが出来るのは分かりました。

なお、アプローチを変えるというならADXと組み合わせてみたり、ボリンジャーバンド、EMAとSMAなどと組み合わせるなどの方法もあるのでは。という意見もあるのですが、僕自身は現在テクニカル分析の組み合わせに全く興味が無いため、あえて検証していないだけです。

生のデータである値動きを加工すればするほど、トータルで勝つのは難しくなるでしょう。値動きをフィルターに通して、加工済みデータにするのは、ある意味で危険です。

例えばジグザク指標(Zigzag)にも、計算式に周期性が含まれているために相場に無いはずの周期性が綺麗に浮き上がってしまい、その周期性をアテにして取引して損失を出すこともある。

結局のところ、FXで勝ち続けるためには値動きを構成する要素について考えてみたり、どのような環境でドルが買われたり、円が売られたりするのかと言ったファンダメンタルズ分析などを勉強したほうが良いと思います。いわゆるテクニカル分析オンリーの方法では、分析対象である値動きが変化してしまうと、分析結果も変わってしまうためトータルで勝てないと思っています。

つまり、僕が考えているアプローチを図に示すと。

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加工済みデータ(テクニカル分析)は、値動きが変化すると瞬時にそれを反映します。この結果、値動きが変化しているにも関わらず、気づくのに遅れて盲目的にテクニカル分析に従ってトレードしてしまうのです。所詮は加工しただけのデータです。いくらCGでゴテゴテに加工していても、内容がゴミだとまったく面白くない映画と似ている。

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そこで、値動きを構成している要素に目を向ける。莫大な制作費を掛けたけれど、まったく売れなかったので内容(ストーリー)を見なおそうと言うアプローチです。今回の例だと、移動平均線をユーロ円の構成要素(実質金利でも良いし、やり方は探せば意外とあります)に適用した結果、期間をいじっていないのに成績が改善しました。

テクニカル分析を表面的に見る人は山程いますが、値動きの本質を見極めようという人が依然として少数派です。だからこそ優位性があり、トータルでの利益を狙えるのでしょう。

→ スイングトレード攻略法、中銀の目的を知り金融政策を先回りする

過去には通貨の発行主体である中央銀行の動向(値動きの構成要素の一つ)に着目してスイングトレードで利益を狙う手法を紹介したことがあります。僕自身も商品先物で貴金属などを取引する時は、こういった政府の政策スタンスや金利差、利上げの織り込み具合を参考にしてスイングトレードをしています。

テクニカル分析はチャートを見やすくして、どこでエントリーするのが効率が良いかを見極めるための道具に過ぎません。移動平均線の「期間」には、あまり過度にこだわらずに自分にとってエントリーをするときに使いやすいという感覚で期間は選べば良い。大事なのは、期間では無く値動きと、その背景ですから。

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